SSブログ
観劇・Stage・Live ブログトップ
前の10件 | 次の10件

「組曲虐殺」12月20日 [観劇・Stage・Live]

どうしても年内にこの記事をアップしたくて、この数日アセアセしてました[あせあせ(飛び散る汗)] 

 

今年は井上ひさし生誕77フェスティバルが開催されていました。

1月「十一ぴきのネコ」、2月「雪やこんこん」、4月「闇に咲く花」、6月「薮原検校」

7月「しみじみ日本・乃木大将」、8月「芭蕉通夜舟」、11月「日の浦姫物語」、12月「組曲虐殺」

の全8公演のうち、4公演を観るとチケットケースがもらえるということで私もGet。

DSCN1017.JPG

私が観たのはこのうち、「雪やこんこん」「芭蕉通夜舟」「日の浦姫物語」「組曲虐殺」。

どれも感想を書いてない……orz

 

さてさて、2012年最後の観劇が「組曲虐殺」。

初演のときにも気にはなっていたのですが……

ゴメンなさい、もうこれ、私の思い込みというか差別というか食わず嫌いというか……その……

アイドルとか、モデルとか、スカウトキャラバンとか、そういうところ出身の人の

舞台演技ってなんだかちょっとね……。

いくらテレビドラマで活躍していても、テレビと舞台とは違うし……と思って

前回は観てなかったのですが、どうやら石原さとみの舞台での評判がいいようなので

一度観ておかなくちゃ、という気分になったのです。 

 

物語の主人公は「蟹工船」で知られるプロレタリア作家・小林多喜二。

井上芝居お得意の評伝劇で、第17回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した作品で、

井上ひさしの最後の戯曲です。

 

幕が開いてすぐ、多喜二役の井上芳雄の歌がキツイ……(^^;

井上芝居には歌がよく出てくるけれど、ミュージカルではないので歌い上げることもないし

魂の叫びや心からの表現だから、上手く歌う必要はないけれど、これはキツイ……。

今回の公演はこまつ座&ホリプロ公演だから、ホリプロの若い子が演ってるのかな~?(;´д`)

などと思いながら観ていたのですが、違う場面でまた歌っていると……あれっ?

さっきみたいに聞き苦しくないぞ。なんで、なんで?

 

休憩時間にパンフを見ると、デビューはミュージカルで、その後もミュージカル出演が多いらしいので

歌が下手ってことはないよね? 後で調べたら、ホリプロでもなかったし、東京芸大の声楽科卒業だし。

   ということで、存じ上げなくてスミマセンm(__)m 東宝ミュージカル系はあまり観ていなかったもので……

井上芝居の歌はミュージカルの歌い方とは違うから、キーやテンポの合う合わない、

歌の表現する内容で印象が変わってくるのかしら?

この日、終演後にアフタートークショーがあったのですが、そこでの会話によると、

「芳雄は歌が上手すぎ」るらしいし

稽古中に上手く歌わないように指導されたそうだから、

上手く歌わないように意識した結果、時々ヘタになってしまったのかな~?

 

【STORY】

昭和5年5月。大阪道頓堀に近い島之内警察署取調室。

特高刑事山本(山崎一)が一人の男に、カンパを渡した相手の名前を吐け、

お前はあの小林多喜二だろう、と詰め寄っている。

口を割らない男(多喜二・井上芳雄)。「神戸の組合みなごろし」の異名をとる

鬼刑事古橋(山本龍二)はなぜか優しい口調で、伯父のこと、姉チマ(高畑淳子)、

果ては恋人瀧子(石原さとみ)のことを話し出す。

微妙に事実と食い違う話についに爆発する多喜二。

検閲により表現の自由が抑圧されていたこの時代、多喜二の作品は伏せ字ばかり。

伏せ字なしでものをいうにいい世の中になればと「伏せ字ソング」を歌いだす。

1ヶ月後、杉並の多喜二の住まいに同志のふじ子(神野三鈴)がいる。

そこへ小樽から姉のチマと恋人の瀧子がやってくる。……睨み合うふじ子と瀧子。

そして翌6年、再び捕らえられた多喜二は、刑務所の独房の中にいた。

多喜二は、自分の心を鏡に向かって独唱する。

人生最後の2年9ヶ月、多喜二はどう生きたのか?

そして彼を取り巻く人々の運命は?ホリプロホームページより

 

【CAST】

 小林多喜二(作家) = 井上芳雄

 佐藤チマ(多喜二の実姉) = 高畑淳子

 田口滝子(多喜二の恋人) = 石原さとみ

 伊藤ふじ子(多喜二の妻) = 神野三鈴

 古橋鉄雄(特高刑事) = 山本龍二

 山本 正(特高刑事) = 山崎 一

【STAFF】

 作 = 井上ひさし

 演出 = 栗山民也

 音楽 = 小曽根真 

 

小林多喜二が上京してから死に至るまでを描いた作品にもかかわらず、

観終わった後に「暗い」という印象が残らないのは、さすが井上芝居というところでしょうか。 

お得意の言葉遊びも出てきたけれど、プログラムのご挨拶によると、

「冗談が好きで、食べることが好きで、そして女の子が好きなひとりの普通の青年が、

なぜ、拷問され、死に至らなくてはならなかったのか」

とあるので、言葉遊びは多喜二の人となりを表現していたものなのかしら。

オープニングでは激しく尋問していた特高刑事も、多喜二の家に下宿するようになると、

自分も小説を書いて多喜二に見てもらったり、コントのような変装をしての逮捕劇があったり 

次第次第に人間らしさが出てきて……。

実際の特高刑事がここまで愛嬌のある人だったとは思えないけれど、

立場の違う人も、個人的に知り合っていけば、立場を越えて

人間対人間の部分が出てくるのかもしれないですね。

 

石原さとみ演じる田口瀧子は「多喜二兄さん」と呼んでいるので兄妹かと思いきや、

「許嫁と妻の間」なんだとか。

養父の借金のかたに酌婦をしていた瀧子を、多喜二が借金を払って救い出して以来の仲だが

結婚するでもなく、プラトニックな関係が続いていることに瀧子は不安を抱いている。

多喜二の姉チマとともに多喜二の住む杉並の家を訪ねた瀧子は、多喜二の同志ふじ子から

活動している人は、捕まったとき、拷問されたときに妻や子がいるとそれが弱みになるから、

家族を持たないという話を聞かされる。

 

にもかかわらず。

プログラムには“伊藤ふじ子(多喜二の妻)”と書かれています。

そう。第2幕になると、伊藤ふじ子が多喜二の妻になっています!

初めからふじ子の多喜二に対する敬愛とか思慕の情とかは見えていたけれど、

多喜二の心境の変化はいかに?

 

多喜二の姉のチマ、瀧子、ふじ子とで話し合い、瀧子は家族を養う必要があったし、

ふじ子が多喜二を支えるのがいいだろうと

瀧子も納得したはずだったのですが、ふたりが暮らす隠れ家に行くと、やはり複雑な心境。 

多喜二が「ふじ子が~」と話す度に、ふたりの関係を改めて知らされて

寂しそうに、でも振り切るように「呼び捨てにされるっていいな」 。

多喜二はというと、心は瀧子にあるようで、

「瀧ちゃん[揺れるハート]

恋人に会えた嬉しさを隠せずにいる。 

ふじ子は多喜二は自分と一緒にいるし、志とか情とかで繋がっているけれど、

多喜二の思い人は瀧子だと知っている。 

 

う~ん。。。

地下活動している中でも、小さな幸せがあってよかったね、と思うけれど、

こんなにもふたりの女性に愛されてよかったね、と思うけれど、 

瀧子もふじ子もつらいよなぁ。

 

この作品では多喜二と瀧子はプラトニックな関係に描かれていましたが、

実際は多喜二と瀧子は同棲していた時期があったそうで……。

あ~、戯曲の中の瀧子と、現実の瀧子とどっちが辛いのかなぁ……。

 

 


人気ブログランキングへ

 

今年ももうすぐ終わりですね。

今年一年、ありがとうございます。

みなさま、よいお年を~~~~♪


nice!(14)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

グレン・ミラーオーケストラJapan Tour2012 [観劇・Stage・Live]

グレン・ミラーオーケストラ Japan Tour2012のチケットが当たったので

ダンナとふたりBunkamuraオーチャードホールに行ってきました♪

Bunkamuraはステージが観やすい造りなので、好きなホールのひとつです。

 

私はボサ・ノヴァが好きで(といっても、まったくよくわかってません。ヒーリング音楽的にかけていて好きだな~という程度ですが)

その流れ(っていうか、流れが逆だよね(^^;)でジャズにも興味はあるのですが、

ジャズを聴いてみたいというと、蘊蓄を語られそうで、なんとなくとっかかりがないままきてしまいました。

とかいいつつ、ブルーノートに行ったこともありますがf^_^;

スウィング・ジャズは割と好きですが、それも聴いていて楽しいという程度。

DVDで『ベニイ・グッドマン物語』も『グレン・ミラー物語』も観たのに

「宇宙人に連れ去れたのがグレン・ミラーだっけ? ベニー・グッドマンだっけ?」

というくらいに記憶がごちゃごちゃですf^_^;

ダンナのほうはといえば、前日に気分を盛り上げるために

グレン・ミラーのCDをかけていたというのに、当日まで何を聴きに行くのかわかっていなかったorz

 

コンサートは15分の休憩を挟んで前半後半は60分ずつ。

知っている曲もあれば、知らない曲もあったけれど、楽しかった~ヽ(^0^)ノ

ダンナに「コールドケース(海外ドラマ)でよくかかってる感じの音楽」と説明したせいもあって

演奏を聴きながら、頭の中にコールドケースの映像が浮かんでいましたf^_^;

それから、指揮者かと思っていた人が、ヴォーカル兼で

歌い出すと途端に“生演奏が聴けるホテルのバー”にいるようなムードになるから

飲み物が欲しい~~って思いましたがf^_^;

普段、ダンナと一緒にコンサートに行くことがないので楽しめるかどうか心配していましたが

ダンナもそれなりに楽しんでいたみたいで(^。^;)ホッ

 

ところで、2階席だったので1階の客席の様子も目に入ってきました。

一番前の席の男性が足でリズムをとっていましたが、他の人たちは静かに拍手するくらいで

おとなしく聴くんですね~。

最後はスタンディングになるかと思ったのに、それもなかったし……。

川口公演では、ステージ前がダンスフロアになるようなので、楽しそうだなぁ。

グレン・ミラー物語 / ベニイ・グッドマン物語 Great Box [DVD]

グレン・ミラー物語 / ベニイ・グッドマン物語 Great Box [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD

久しぶりにDVD見返そうかな~♪


人気ブログランキングへ

終演後は、いつものように回転寿司♪

DSCN0773.JPG

 

遅い時間だったからか、いつもサービスしてくれるおにーちゃんが握ってくれたからか

貝ヒモのおまけ付き♪

お寿司の代金は貯まっていたポイントで支払ったので、今日一日のデート費用は

交通費だけですみました~ヽ(^0^)ノ


nice!(25)  コメント(16)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

『エンロン』2012年4月18日 [観劇・Stage・Live]

天王洲銀河劇場で『エンロン』を鑑賞。

 

これは2001年アメリカのエンロン社破綻事件を題材に書かれたイギリスの作品。

「オレは頭がいい」と豪語するジェフリー・スキリング(市村正親)は 

ケン・レイ(たかお鷹)が会長兼CEOを務めるエネルギー供給会社〈エンロン社〉に迎えられ、

将来の見込み収益を現段階で計上できる会計システム「マーク・トゥ・マーケット」を導入。

スキリングの口から語られる、金の卵を産む鶏のような夢物語はケン・レイを魅了し

いままで路線を貫こうとする、ケン・レイお気に入りのクローディア・ロウ(香寿たつき)を蹴落とすと、

スキリングは社長に就任する。

スキリングの方針の下、入社した大学卒の頭のいいトレーダーたちは貪欲にマーケットを支配していく。

マスメディアにもてはやされ、証券アナリストたちを味方につけたキリングス。

〈エンロン〉の株価は高騰し続ける。

しかし、帳簿上大きな利益を得ていた〈エンロン〉ではあったが、内情は火の車だった。

困ったキリングスは部下のアンディ・ファストウ(豊原功補)に相談を持ちかける。

キリングスと同じように人付き合いは苦手ながらも、会計には詳しく頭のいいファストウは

〈エンロン〉の損失を肩代わりさせるシャドー・カンパニーを作ることを提案する。

時代の寵児〈エンロン〉の機嫌を損ねたくなかった弁護士も会計士も反対はできず、

自分たちの管轄ではないと、責任を他者に押しつけることで暗に認める形となり、

シャドー・カンパニー〈L・J・M〉が作られた。

〈エンロン〉の財政難は一時的なもので、すぐまた収入が見込めるだろう。おそらくそんなつもりで

はじめられた〈L・J・M〉。しかし、〈エンロン〉の経済状態はどんどん悪化していく。

 

まあ……トレーダーたちを見て思ったけど、

働き始めたばかりの血気盛んな若者が、自分の腹を痛めることなく

何万ドルも動かせたら、そりゃあ興奮しちゃうだろなぁ。

しかも、あの頃のアメリカでしょ。自分が世界を動かしているぐらいの気分になっちゃうよね。

で、大損しても首は切られないんだから、「スキリングすげ~~~」ってなるよねw 

 

このお話は、実際の事件をもとに書かれているので、事件の顛末をご存じの方もいらっしゃるでしょう。

なので書いてしまいますが、

 

ブッシュJr.時代にカリフォルニアで電力が自由化されると

〈エンロン〉のトレーダーたちはマーケットを操作し、そのことによりカリフォルニアで

多数の死者が出てしまい、〈エンロン〉社は批難される。

そんな折り、〈エンロン〉不正会計疑惑が報じられる。

それまで自分が何か言うと株価が上がっていたのに、いまでは口を開くと

どんどん株価が下がっていくことで、スキリングは時代との蜜月が終わったことに気付くのであった。

そして〈エンロン〉倒産。

証券詐欺や共謀などでケン・レイ、スキリング、ファストウは有罪になるも、

レイは心臓発作(劇中では死因は描かれていませんでしたが)で死去。

スキリングは収監されるし、見終わって

「あ~楽しかったぁ♪」

なんてニコニコ元気になる舞台ではない。

だけど、イヤ~な後味が残らないのは演出の妙もあるのだろうけど、

さすがイギリスで大ヒットした作品だけありますね。

ただ……これが海の向こうの国の物語だからかな、って気もしますが。

どうやらブロードウェイではこの作品、イギリスほどの人気にはならなかったらしい。

プログラムでデーブ・スペクターはその理由を、ブロードウェイが観光客向けになっていること、

アメリカ人にはこの不祥事の記憶が新しくて、素直に興味を持てなかったと挙げていますが、

確かに、日本のここ数年の事件を題材にされた場合を考えると生々しくて、なんだか……ねぇ……。

 

この作品、舞台を上下に二分割して、会社の上の階と下の階、パーティ会場とオフィス

といった使い方をしています。

なので、後ろのほうの席のほうが見やすそう。

私は前方の席だったからかもしれませんが、暗いところで電光掲示板がチカチカしたり

音楽や効果音が大きいときがあるのには閉口しました。大きな音、苦手なんです。

それ以外は、経済に疎くて「マーク・トゥ・マーケット」の段階で理解できなかったお馬鹿さんの私でも

面白く観られました。

経済犯罪(?)の話ですけど、結局は“人間”の話ですもの。

私はキリングスの言うことがさっぱりわからないお馬鹿さんだけど、

ないものにお金を払うことが理解できないお馬鹿さんでよかったな~って気もします。

ただ、詐欺なんかができちゃう頭の良さには、ちょっと憧れを抱いちゃうところもあるのですが……f^_^;

 

【CAST】

 ジェフリー・スキリング = 市村正親

 アンディ・ファストウ = 豊原功補

 クローディア・ロウ = 香寿たつき

 ケン・レイ = たかお鷹

 秋山真太郎 伊礼彼方 植原卓也 末次美沙緒 ちすん 長谷川寧 

 林勇輔 古川雄輝 松原剛志 満島真之介 宮下今日子

 

【STAFF】 

 作 = ルーシー・プレブル

 翻訳 = 常田景子

 演出 = デヴィッド・グリンドレー

末次美沙緒さん、劇団四季を退団していたんですね。

 

 

この日は終演後、森永卓郎トークイベントがありました。

「過激なことはtwitterやブログにあまり書かないように」

と言っていましたが……

……

“あまり”ということは……

……

それは、書いてね♪ということですか~~~~?

 

夜、ダンナに話したら

「違うだろ」

と突っ込まれましたが……だってぇ“あまり”っていうくらいだから、書いて欲しいのかな、って思ったんだもん。


人気ブログランキングへ

twitterやブログではなく、ダンナに話の内容を伝えたら

「別にヤバそうなのないな」

って。

ね~~~~っ。だから言ったでしょぉw 

「『私が日銀総裁になったら、景気は回復する』って言ってたよ」

「そういうやる気のある人がやればいいんだよ」

「うん。でもさぁ、そういう人がなってもダメだったらショックでかいじゃん。だから、ならないほうがいいかもよ」

ペシミストな私なのでした。


nice!(30)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

「PRESS~プレス~」2月28日昼の部 [観劇・Stage・Live]

今年3本目の観劇は、Bunkamuraシアターコクーンで

主演:明石家さんま、脚本・出演:生瀬勝久、演出:水田伸生の舞台企画第5弾「PRESS~プレス」。

まさかチケットが取れるとは思わなかったじぇ( ´艸`)

 

開演前流れていた懐かしい昭和の音楽が止み、 狂言回し的役割の中尾明慶のセリフでスタート。

初めは現代っ子らしい喋りが物語の舞台になっている60年代のセットに合わないような気がしましたが、

観客(現代)と舞台(60年代)をつなぐ役割も担っているので、だんだん違和感は消えていきました。

 

日本が高度経済成長真っ盛りだった1960年代、

大阪に本社を置くスポーツ新聞社「堂島スポーツ」編集部が物語の舞台。

明石家さんま扮する文化部部長の才谷周をはじめとし、下っ端の雑用係・武田剛(中尾明慶)、

報道部 阪神担当・工藤列(山西惇)、文化部の部次長・森田おさむ(温水洋一)、

報道部 プロレス、相撲担当・川野洋一郎(八十田勇一)、校閲部・権堂八重(新谷真弓)、

販売局・小松(小松利昌)、局次長・磯谷武史(大河内浩)が扮する新聞社の面々と、

いつもネタ集めに編集部へやって来る曾根崎署の刑事・牧田歩(丸山智己)、

恋愛スクープを揉み消したい一心で編集部に駆け込んできた

清純派人気上優・木村なでしこ(相武紗季)、その恋人の元青春スター・萩原大作(音尾琢真)、

そして、なでしこのマネージャー・若狭勉(生瀬勝久)までも一同に介し、すったもんだを繰り広げる。

  主催・製作のキューブホームページに役職、役名等を加えました)

 

息のあった面々の丁々発止のやりとり。

場面転換で流れる曲はなんとなく松竹新喜劇っぽかったので(吉本じゃなく松竹っぽかった(^^;)

物語のラストも松竹っぽい人情劇になるのかと思いきや、そんなこともなく、 

いい意味で、単純に何も考えずに笑える娯楽といった感じです。

私はいろいろ考え過ぎちゃうところもあるのですが、こういう喜劇はいい気分転換になります(*^_^*)

前日、というか当日、朝の5時近くまで寝付けなかったので、観劇中

睡魔が襲ってくるんじゃないかと心配していましたが、笑いっぱなしの2時間半でした。

 

舞台が60年代なので、その時代の小ネタなども時折出てきます。

わからなくても充分面白いけれど、わかるとなお楽しめるだろうなぁ。

才谷と森田のやりとりに出てきた“ペンタックスペンタックス望遠だよ望遠だよワイドだよ”は

CMだろうと想像がついたけれど元ネタを知らなかったので、帰宅後、さっそく検索しちゃいました。

 


人気ブログランキングへ

 

シアターコクーンは、その時の上演演目に合わせたスナックや軽食を販売していることがあるので

この日も楽しみにしていたけれど、休憩がないからか特に変わったものがなくて残念でした(´・ω・`)

CIMG0989.JPG

 

終演後、協賛のキッコーマンから

しぼりたて生しょうゆのミニパックが(5ml×8本)を

いただきました。

人がはけるのを待って、スタッフさんにお願いして

パネルを撮影[カメラ]


nice!(26)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

『平成中村座』11月8日夜の部① [観劇・Stage・Live]

いつも、お芝居を観に行く時は昼間に出かけて

夕方には戻ってご飯支度、というのがパターンですが、

珍しく夜の公演に出かけちゃいました。

行き先は〈平成中村座〉。http://www.nakamuraza.com/(相変わらずリンクの挿入ができない(^^;)

江戸の芝居小屋を模して作られた仮設劇場です。

DCF00221.JPG

 

しょっちゅう道に迷っている私ですが、

静岡や名古屋といった

土地勘のないところのCATSシアターにも

無事にたどり着けたし、知らない街でも

劇場だけは迷わずに行けるようです(^^;)ツ アハハ

とはいえ、やはり初めて行く劇場は

迷わないか心配。 

松竹でチケットを購入すると劇場までの地図が付いているのですが、

方向音痴の人間に、地図は意味がありません!キリッ!

 

地図を片手(←いちおう手にはしている(^^;)に“たぶん”こっちのほうと思う方向に

歩いて行きます。

途中、不安になりましたが、「平成中村座」ののぼりが立っているので

のぼりに沿って歩いていると大丈夫かな~?と。

たしか、スカイツリーを目指して行くといいってダンナが言っていたよね。

 

劇場に向かう途中、コンビニか自販機でジュースを買おうと思っていましたが、

私が通った道には、コンビニは駅前の1軒しか見当たらなかった……(^^;

自販機はコカ・コーラ社のが3機のみ。

私の好みのドリンクは売っていなかったのよね……。

まあ、劇場で何か売ってるでしょう。 

DCF00222.JPG

 

隅田公園の中にあると思って

公園の中を歩いていましたが、

入り口は外でした。

“中”とか“外”とか、私の感覚で

言っていますが、……

方向音痴の人の言うことなので

違っていたらご容赦下さい。 

 

門をくぐると左手には売店。

お団子とか、ちょっとつまめるおやつの類があるかと思っていたけれど、お弁当ぐらいしかなく[バッド(下向き矢印)]

飲み物もお茶とビールぐらい。

せめてドリンクは、もう少し種類が欲しかったな~。

冷えそうだったので、温かいお茶を購入して、中に入ります。

DCF00223.JPG

 

靴を脱いであがるので、ビニール袋を

渡されます。

出がけに迷ったけど、

ブーツ穿いてこなくてよかった[グッド(上向き矢印)]

ストッキングも破れてなくてよかったw

私の視界に入るところのオバサマは、

右足はつま先とかかとが左足はつま先と、派手に伝線しているので気になっちゃって……f^_^;

靴を脱いであがるので、夜になると足下から冷えがあがってきます。

靴下を持ってくればよかったかも。

思わずブランケット(たしか500円)を購入しそうになりました。

DCF00224.JPG

 

この劇場、舞台や花道と

客席とが近く感じられます。

 

客席は前方に平場席があり、

ほかは椅子席。

コクーン歌舞伎に行った時、座布団席(コクーンではそういったと記憶している)は

背もたれがなかったので、椅子のほうがラクだろうと、今回は椅子席を取りましたが……。

平成中村座の椅子席は、ベンチ状のところに小ぶりの座布団が敷いてあるもの。 

肘掛けが付いていないので、お隣さんと接触してしまいます。

これは、お隣がガタイのいい人だとキツイぞ~(ーー;)

残念なことに、座席の縦のラインがきっちり揃えられているので、前の人の頭が邪魔です。

私の席は、前の席と段差が付いている場所でしたが、それでも見えない(ーー;) 

前の席の人は前傾姿勢になったり(この劇場、注意を促すアナウンスがないのね)、

通路側の席だったこともあり、肘掛けがないのをいいことに

舞台に対して横向きに坐ったりして、それがまた邪魔になる一因でした(;´д`)トホホ

椅子席に肘掛けはないけれど、背もたれはありました。

ただ、クッションを巻いたバーが1本だけなので、クッションがあっても

背中の接触面が小さい分、時間が経つと痛くなってきます(ノ_・、)

平場席は座椅子になっていて、荷物を置く関係もあるのでしょうが、

椅子席よりも席の間隔がゆったりしてそうです。

この劇場は平場席のほうがよかったかも~。

 

おもしろいのはこの劇場、二階席は上の写真で見えているところのまだ向こう側

舞台の上に位置する場所にも席があるんです。

いまは幕が下りているので、座席も幕で仕切られて見えません。

この席からは、どんな風に見えるのかな~?

 

仮設劇場ということで、お手洗いがどうなっているかも気になります。

個室の数はかなり多そうです。

個室の前にはそれぞれスリッパが置かれ、中に入る時に穿き、出たら脱ぐので

空いているところと入っているところが一目瞭然。その上、

空いている個室を案内してくれるスタッフ(扉がパタンと閉まってしまう旧歌舞伎座にいて欲しかった)もいるので、

行列していても回転は速そう。

これなら旧歌舞伎座のように、おばちゃん達が男性用トイレに乱入することはなさそうです(^▽^)

ただ、寒い。

冬場はお手洗いにも暖房が入るのかな~?

冷え性の私は、これだけ寒い寒いと思っていましたが、

二階席は空気を循環させるためなんでしょうね、扇風機が置かれていました。

もしかして、これからの季節は二階席のほうが暖かくていいの???

人気ブログランキングへ blogram投票ボタン

初めての劇場にコーフンして、劇場案内だけで長くなったので続きますf^_^;

トイレの鍵が、ドアノブのボタンをポチッと押してかけるタイプでしたが、

この手の鍵は久しぶりすぎて、手こずったのはナイショ(^x^)


nice!(44)  コメント(16)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

『ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~』11月16日 [観劇・Stage・Live]

話が前後してしまいますが、洗濯機が故障した翌日には修理できるというのを1日先送りして

『ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~』を観に日比谷にあるシアタークリエへ。

心配性の私は壊れた電化製品が家にあると、「爆発するんじゃないか」「発火するんじゃないか」

と気が気ではないのですが、観劇の予定なら……ねぇ(^_^;)

休憩無しの1時間50分の公演です。 

 

この作品は、チラシでキャストを見た瞬間「これは観に行きたい!」と心惹かれたので

キャストを先に紹介します。

 

 【CAST】

   民谷史章(53歳) = 竹中直人

   陣野圭作(50歳) = 生瀬勝久

   早坂津弓(28歳) = 山田 優

   民谷 蓮(21歳) = 谷村美月 

   日野康也(21歳) = 松下洸平

   岡根三知男(41歳) = 田口浩正 

 【STAFF】

   作・演出 = 倉持 裕

 

竹中直人、生瀬勝久、田口浩正ときたら、もうこれだけでおもしろそうじゃないですか[グッド(上向き矢印)]

観ないわけにはいきません。

 

   20年前、バブル末期に建てられたマンション「ヴィラ・グランデ 青山」の中庭に男がふたり。

   ひとりは広告デザイナーでここの住人の民谷史章(竹中直人)。もうひとりは、

   民谷と同じ頃にマンションの一室を購入し、住んでいたフォトグラファーの陣野圭作(生瀬勝久)。

   陣野はいま、介護のために母親と暮らしているが、部屋は売却せず賃貸に出している。

   かつてはクリエイターやらプロデューサーやら、横文字業種の人種が住んでいたこのマンションで

   二人は知り合い、仕事も共にした。しかし三年前に仲違いし、以来、口もきいていなかった。

   そんな中、陣野は突然民谷に呼ばれ、ヴィラ・グランデ青山にやって来た。

   ひどく混乱している様子の民谷から聞き出したところによると

   先週、大学生になる民谷の娘・蓮(谷村美月)の元彼・鳴川にナイフで切りつけられたんだとか。

   そして今日、 鳴川が謝罪に来るのだが、どうやらひとりでは怖くて対処できないらしい。

   ところが鳴川は現れず、代わりに頭を下げたのは鳴川の友人・日野康也(松下洸平)だった。

   さらに、陣野の部屋を借りているOL・早坂津弓(山田 優)、

   アルバイト管理人・岡根三知男(田口浩正)とも距離を縮め、どこか張り詰めた

   奇妙な付き合いがはじまる。

 

 

3年も口をきかない間柄だったのに、なぜ自分が突然呼ばれたのかわからない陣野。

ナイフを持った青年と揉み合った恐怖。それがトラウマとなり、

鳴川とふたりで会うのは怖いけれど、まさか謝罪に来る若者のことを怖いとは言えないプライド。

そんなストレスで張り詰めた心理状態に加え、揉み合った時は無我夢中で記憶が曖昧なこともあって

要領を得ない民谷の説明。

さらに、子どもの口げんかのような揚げ足とりで、

ふたりの話は噛み合っているような、最初からボタンを掛け違えているような……。

パンフレットの竹中直人のコメントに「倉持さんの世界には、岩松(了)さんの作品に

通じるものを感じます」とあったけれど、私も最初、微妙な噛み合わなさを感じる

岩松作品を思い出していました。

ただ、岩松作品が登場人物によって意図的に不協和音が作り出されているのに対し

こちらは、登場人物が持つ不完全さ(まあ、人間なんて不完全なものではありますが……)、

なにか欠けている部分によって、生じる“ズレ”がおかしくて気持ち悪い。

 

それにしても、いや~~~っ、生瀬勝久カッコいい[グッド(上向き矢印)] なんて色気があるの、この人[揺れるハート]

と幕が開いたと同時に思ったものの、場面が変わって衣裳チェンジすると、あれっ?おっさん?

なぁんかお腹というか腰周りが気になるんですけど……。

この後、ジャケット姿になった時はまたカッコいいと思ったし、

ジャケット+ジーンズ姿で登場した竹中直人を素敵と思ったので……

たぶん私は、ジャケットにジーンズが似合うおっさん大人の男性に萌えるんでしょうねぇ(^^;

いや、でもこのお二人、衣裳も業界人ぽいし、デザイナーやフォトグラファーらしい

いい意味の“いかがわしさ”がにじみ出ていましたねぇ♪

ただ、カメラを構えた陣野がフォトグラファーというより

カメラ小僧かアイドルオタにしか見えなかったのはご愛敬ですが(^^;

 

山田優は舞台初出演だそうです。

キャストに「山田 優」の文字を見た時、ドラマでのイメージしかなかったので正直言って

「男ばっかりじゃムサいから、きれいどころを入れようと思ったんだろけど、

芸達者な面々の中で演技が浮きそうだな~」

と、あまりよく思わなかったのですが……。

その演技がいい具合に、ひと癖もふたくせもあるおじさん達と若い子の違いのように感じられます。

そうかと思えば、気心の知れた友人でもある岡根との掛け合いになるとノリがよくて。

「(年齢の)バラつきの加減が丁度いい感じがするんです。竹中さん生瀬さん世代から

僕(田口浩正)という真ん中に挟まる年齢がいて、さらに山田さん、谷村さん、松下君、という20代もいる」(パンフより)

というように、岡根を境に中年と若者の違いや、

お互いにどうしても理解できない部分があることが浮き彫りになってきます。

岡根の年齢、41歳の頃の民谷や陣野は家族のためにバリバリ働いていた。

けれど、小説やカメラといった夢を持って(といって、プロにはなれそうもないけれど)、

アルバイトで生計を立てていて、おそらく独身の岡根は

どちらかというと若者に近い位置にいるのかもしれないですね。

うん、あの時代の41歳にはいなかったかもしれないけれど、

いまの41歳なら、たまにいるよな~と思うタイプ。

蓮はお父さんを煙たがっている、その年代にありがちのごくフツーの女の子に見えるけれど、

恋愛に関してのドライな一面は、父親である民谷(おじさん代表)にはまったく理解できない。

初めは、今時の若者にしては(おばちゃん目線w)礼儀正しい好青年に見えた日野も、

そのスタンスを変えないことで、だんだんと「いちばんまともじゃない人」に思えてくる。

ただ、現代の若者のひとりとして日野を考えると、こういう人間関係ってあるんだろうな~って

思えてくるのが、ある種の恐怖を覚えます。

そういう点で

「50代男性の友情と20代の若者の友情を対比で見せたい」(パンフの鼎談より)だったのかな~と。

 

もうひとつ、年の離れた人と知り合っていく中で、みんな

いままで自分では目を瞑って見ないようにしていたことに気づかされてしまったのかな~。

民谷・陣野はもちろん、蓮と日野はちょっとわからないけれど、早坂も岡根も

楽しかった時は過ぎ去ってしまったことに知ってしまった。もしかしたら早坂と岡根に至っては、

楽しいと思っていたことすら、まやかしだったのかもしれない。

この作品の私の印象は“祭りの後”。

民谷・陣野のおじさん達は、業界人が中庭に集まっていた

ヴィラ・グランデ青山のよき時代を知っていて、いまでもその頃と同じ気持ちでいたけれど、

あの時代は終わってしまった。バブルの終焉。もしかすると、青春が去ったことに

ようやく気づいてしまったんじゃないか。

そんな寂しさが湧いてきたところで、これがラストだよね? と思ったけれど、

短い後日談がまだ残されているような空気もあって

拍手をしていいのか悪いのかがわからない……(^^;

たぶんみんなもそうだったのでしょう。カーテンコールになって初めて拍手が起きました。

何が理由だろう? 音楽? 照明?

「終わったの? まだ続きあるの?」 と判断が付かない宙ぶらりんな状態でいたので、

幕が下りた余韻みたいなものを感じる余裕がなかったんですよね~。

もっとはっきり“幕”ってわかるといいんだけどな~。

 

blogram投票ボタン人気ブログランキングへ

現段階で今年の観劇はこれが最後の予定ですが(感想を書いていない公演が4つほどあるけど(^^;)

12月はダンナの飲み会がいくつかあるようなので、チケットがとれたら

なにか観に行っちゃおうかな~♪


nice!(25)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

G・G・R(グレンギャリー・グレン・ロス)6月14日 [観劇・Stage・Live]

天王洲銀河劇場で、グレンギャリー・グレン・ロスを鑑賞。

この作品は、作者のデヴィッド・マメットが働いていた不動産会社での経験を下敷きにした戯曲で、

1983年にロンドンで初演。翌年にはピュリッツァー賞を受賞。ブロードウェイでも成功を収め、

92年には映画(邦題「摩天楼を夢見て」)にもなり、マメットの最高傑作と謳われているそうです。

 

花道から登場する石丸幹二のソプラノサックスで、物語が始まります。

 

とある中華料理店の一室。

不動産会社の崖っぷちセールスマン4人の男たちが

それぞれのやり方でピンチを打開しようと画策している。

レヴィーン(坂東三津五郎)は、支社長ウィリアムソン(今井朋彦)に取り入って

契約のとれそうな顧客名簿を入手しようと交渉中。

かつてはセールス・マシーンの異名を持ち、トップセールスマンだったレヴィーンも

今では落ち目。必死だ。

別室には、モス(加藤虎ノ介)とアーロナウ(大鷹明良)の二人。

モスは会社の経営方針に強い不満を持っており、仕返ししてやろうと顧客名簿を盗む計画を企み、

気の弱いアーロナウを巻き込もうとその計画をほのめかす。

また別の席では、ローマ(石丸幹二)が隣の席のおとなしそうな客リンク(テイ龍進)に狙いを定め、

言葉巧みに相手の気を引き契約をとりつけるチャンスを伺っている。

一夜明けて、不動産会社の営業所。顧客名簿や契約書、電話までもが盗まれ、

すっかり荒らされている。

別室で事情聴取が進む中も、彼らのセールス競争は続く。

そして、ひとつの真実が浮かび上がる……。(銀河劇場公演情報より拝借)

 

最初に感じたのは、悲哀。

 

現代劇の三津五郎さんを観たのは初めてでしたが、

かつてはトップセールスマンで、自分がいたから会社がここまで成長したという自負と傲慢さ、

その反面、最近うまくいかないのは運がないからではなく、

もう自分の時代は終わってしまったんじゃないかという不安や焦り、

そして、本当は自分のスタイルが時代遅れになっていることに気づいている

そんな入り乱れた心境が感じられました。

 

その対称にいるのが、ローマ。

悪徳商法のようなやり方で、とりあえずいまは成績もいい。

ローマもレヴィーンも、成績を上げることを重要視しているけど、

それでも、どこかふたりは違う。

成績を上げること、つまり自分は仕事において優秀だということに喜びと感じ、プライドとしているレヴィーン。

ローマは……収入が増えることと、それから、もしかしたら

自分の手練手管にバカな客がダマされることに快感を得ているのかもしれない。

だけど、いつまでもそのやり方が通用するのかな?

もう幕が下りているけれど、その先を想像すると、結局は

レヴィーンと同じような道を辿るような気もします。

 

ローマとレヴィーン、そして、

人のいいアーロナウに対して、ガンガン押しまくるモス。

日本人的には、アーロナウってなんとなくわかるんですよ。

口が硬くて信頼できる人。だけど、これだけ個性の強い人たちの中では、とって喰われるよねぇw

アーロナウ役の大鷹明良さんがとって喰われてるわけではなく、アーロナウが、ね。

で、モスという人物の押しの強さ、暑苦しさが、だんだん平成ノブシコブシの吉村に見えてきて……(^^;

 

それぞれタイプが違うけれど、セールスマン4人は、やはり自分たちが会社を回している

という思いがどこかにあるんでしょうね。支社長ウィリアムソンをどこか軽蔑していることは一致。

どうやら縁故入社っぽいウィリアムソン。

外回りをしたこともない頭でっかちのヤツに、たたき上げの営業の仕事がわかってたまるか。

俺らが契約を取ってくるから、会社が成り立ってるんだ、お前なんか、ただ偉そうにしているだけじゃないか。

だから、みんなウィリアムソンに攻撃(手は出さないので、口撃かな?)し放題。

みんなから悪口雑言を浴びせかけられても、ウィリアムソンはそれを黙って受け止めるだけ。

いや、受け流しているのかな?

何かを考えているふうで、それでいて、何も考えていないのかもしれない。

もしかしたら頭の中では、いま暴言を吐いている男に復讐しているのかもしれない。

こういうタイプはキレると怖いんだよね~。

そんな感じで、何も言い返さずにじっとしている。

いやぁ、役とはいえ、ウィリアムソン役の今井朋彦さんって、ストレス溜まらないかしら?(^^;

 

なんとも男臭くて、 これだけ個性が強かったら、日本の会社じゃ勤まらないんじゃない?

と思いつつも、でも、どこかでありそうな、どこかであってもおかしくないような

そんな人間くさい作品でした。

映画も観てみなくちゃ~♪

 

 

ところで、私の近くの席に、

“チャンスの神(髪)様”な酒井敏也さん(この表現が芸能人に疎いダンナに通じたんです~(^^;)が

いらっしゃいました。.

どなたを観にいらしたのかな~?

こういう著名な方は、帰るときにほかのお客さんと一緒にならないように

幕が下りて客席が暗くなった隙に席を立ち、カーテンコールのときには姿を消している

ということが多いのですが……。

なんと、この日、終演後のアフタートークもしっかり観てから帰られました。

 

アフタートークはシャイな雰囲気の演出の青山真治さん、

慣れた雰囲気の石丸幹二さん、満面の笑みが印象的だった坂東三津五郎さんのお三人。

以前にも観たことがありますが、三津五郎さんってこういう場では、本当にくつろいだ、楽しそうな笑顔ですね。

司会進行はぴあの方。

いままでにもいろいろな場でアフタートークを観たことがありますが、

司会進行が劇団関係の方、というパターンが多かったような気がします。

今回、ぴあの方(ゴメンなさい、お名前失念しました)ということで、

質問の構成がしっかりしていて、

このままインタビュー記事にできるような、充実したトークイベントでした♪

こんなアフタートークばかりだと嬉しいのですが……。

 

 

 【CAST】

   リチャード・ローマ = 石丸幹二

   シェリー・レヴィーン = 坂東三津五郎

   ジョン・ウィリアムソン = 今井朋彦

   ジョージ・アーロナウ = 大鷹明良

   デイヴ・モス = 加藤虎ノ介

   ジェイムズ・リンク = テイ龍進

   ベイレン刑事 = 坂東八大

 

 【STAFF】

   作=デヴィッド・マメット

   翻訳=常田景子

   演出=青山真治

 

人気ブログランキングへ blogram投票ボタン

 

アフタートークのときも話題になっていたのですが、この作品、汚い言葉が多い!

映画は観たことがないのですが、映画版も汚い言葉の連続なんでしょうか?

「Shit」(オブラートに包んでみたつもりですが、包まれてないかもf^_^;)に関していえば、

1時間50分の上演時間の中で、64回もあるんだとか)°O°(

それでも……「日本人のへそ」の石丸幹二を観てしまった私にとっては

「Shit」発言くらい、何のその、ですw


nice!(32)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

『たいこどんどん』千穐楽 [観劇・Stage・Live]

井上ひさし原作、蜷川幸雄演出の『たいこどんどん』を観に、5月28日はBunkamuraシアターコクーンへ。

Bunkamuraシアターコクーンに行くのは、3月17日の『日本人のへそ』(これまた井上ひさし原作)以来で……

あの時は、余震に怯えながら劇場に向かったんだよな~と、そんなことを思い出しながらの鑑賞です。

 

時は幕末。日本橋は駿河越後屋呉服店前の七つ時。たいこもちの桃八(古田新太)が、

江戸で指折りの薬種問屋鰯屋の跡取り息子、清之助(中村橋之助)と待ち合わせをしている。

折からの雷雨。人々が越後屋の貸し出す番傘をさして行き交うなか、蝙蝠傘をさした清之助が現れる。

二人が目指すのは、若旦那ぞっこんの女郎、袖ヶ浦(鈴木京香)がいる品川小菱屋。

そこで出会ったひげ侍たちとのひょんな諍いがもとで、二人は品川の沖を漂流するはめに。

これが九年にわたる珍道中のはじまりとなった。

運良く千石船に拾われて、流れ着いたのは陸中の釜石。

旅籠に腰を落ち着けたと思ったのもつかの間、思いがけない災難が二人に次々と降りかかる。

若旦那にどんなに手ひどく裏切られても、尽くし続ける桃八。

時に離ればなれになりながら珍道中を続ける二人だが、

放浪の果てにたどり着いた先に待ち受けるものとは──? (Bunkamuraホームページより拝借)

 

この作品は、前回観た『日本人のへそ』と同じように、井上ひさしの初期の作品。

「僕は井上さんの初期に近い作品の猥雑にして卑猥、卑猥にして抒情的な、

抒情的にして滑稽、滑稽にして哀しい作品が好きなんです」(蜷川幸雄)

とあるように、またしても「下(しも)」(古田新太)「エロチック」「エロエロ」(宮本裕子)ですが、

「明るいエロス」(六平直政)というのが、いちばん合っているかもしれません。

“明るい”から、家でご飯を作っているとき、劇中の猥歌を口ずさんじゃったりするんですよね~f^_^;

 

唄あり、三味線ありのこの舞台。

ステージ左右にある電光掲示板に歌詞が流れるのですが、私の席は前のほうだったので

ステージと歌詞とを同時に視界に入れるのは、ちょっとキツかったですorz 

 

ちやほやされてきた若旦那と、そのたいこもちの桃八。

それまでふわふわ楽しく生きてきた二人が、ひどい目に何度も遭いながらも、どこかに

二人でいればなんとかなる、二人でいるからなんとかなる、と考えているように感じられ、

ここまで悲惨ではありませんが、『默阿彌オペラ』にも通じているような気がします。

何があってもめげずに生きていくこの姿勢、見倣わなくちゃなりませんね。

 

中村橋之助の若旦那姿がしっくりしているのはもちろんですが、

井上芝居だからあると思っていた古田新太の長台詞に圧倒されたり、

茂手木桜子の摂食障害かと思うほどの腕や脚の細さに目が釘付けになったりしましたが、

なにより鈴木京香がよかった!

歌になると自信がないのか、聞き取りにくくなったけどね。

今回演じたのは女郎の袖ヶ浦(しかしこの袖ヶ浦という人、女郎としては客あしらいがヘタだよね~)のほかに、

釜石の旅籠のおとき、お熊、柏崎の乞食婆、江戸の住人、東京の娘の6(?)役。

おときとお熊は、袖ヶ浦の面影を残しつつも、たくましくて、強くて、ずるくて、悪い女。

この人、和風の顔立ちだと思っていましたが、メイクによっては派手になるんですね。

若かりし頃の石井苗子みたい(派手顔好きの私としては褒めているつもりだけれど、

世間的には褒め言葉になっていないかも(^^;)で、

お歯黒を塗った歯を見せて笑う様は、ぞっとして、だけど妖しげな魅力がありました。

日本のドラマや映画はほとんど観ないので、私の勝手なイメージかもしれませんが、

鈴木京香って、おとなしいけど芯がしっかりしている役の印象だったんです。

だけど、こういうヴァンプも意外に合ってる!

どんなあけすけなセリフも、いやらしぃぃぃぃくならないだけの品があるからいいですね。

鈴木京香が露骨な仕草とセリフを言い残して去っていくその背中に向かって、

「そんなことも演(や)るんですね」

と古田新太。笑いを堪えているその背中に追い打ちをかけるように

「来る役が変わってくると思いますよ」

「いいと思います!」

うん。私も来る役が変わった鈴木京香だったら、テレビを観ちゃうかも。

 

笑ってしまったのは、またぎのような毛皮を着た六平直政に、古田新太が

「何の毛皮ですか?」

「モモンガ」

「モモンガ?」

「モモンガの背中のとこ」

モモンガの毛皮でベストを作ったら……いったい何匹モモンガが必要なんでしょうねぇ(笑)。

これはアドリブだったのかな?

 

ところで、私はたとえばモデルだったりが人気があるからという理由で

ろくに演技のレッスンもしていないのに、ちょこっとドラマに出ただけで、

私は「俳優」「女優」でござい、なんていうのが大っきらいなんですが(笑)

そういう意地悪な目で注目していたのが大林素子。

ではありましたが、じっとりとした女っぽい女郎役が似合っていました。 

ラストの江戸の住人の時も、芸者メイクそのままだったのか

濃いメイクが髪やきものとちぐはぐな印象でしたが、女郎や芸者役はいい! 

残念ながら太夫にはなれないことを自分でもわかっているけれど、

中身は誰よりも女っぽい女郎。

新潟の芸者のとき、胸を揉みしだかれているところなんか

本当に喜んでいるようにも見えてくるくらいで(*/∀\*) イヤン

ただ、背が高いのに上目遣いをしての演技を見ていると、だんだん

楽しんごに見えてきて困りました(^-^;

 

【CAST】

   中村橋之助 = 清之助

   古田新太 = 桃八

   鈴木京香 = 袖ヶ浦/江戸の住人/釜石甲子屋のおとき/お熊/柏崎の乞食婆/東京の娘

   宮本裕子 = 藤ノ浦/江戸と東京の住人/千壱番/お篠/釜石の芸者/子ども

   大石継太 = 品川小菱屋若い衆/江戸と東京の住人/外国奉公配下役人/船子/文吉の手下/

           釜石の小間物屋手代平吉/遠野の馬商人/山賊/柏崎の商屋番頭風の男

   大門伍朗 = 品川小菱屋主人/江戸と東京の住人/釜石甲子屋主人/遠野の馬商人/

           新潟鶴屋の主人/佐渡おけさを歌うだれか

   市川夏江 = 江戸と東京の住人/盛岡の地芸者/子ども/柏崎の乞食

   大林素子 = 里ノ浦/江戸と東京の住人/盛岡の地芸者/新潟芸者

   飯田邦博 = ひげ侍/江戸と東京の住人/船子/釜石鉱山の番人/遠野の馬商人/山賊/

           文吉の手下/柏崎の通行人

   塚本幸男 = あばた侍/江戸と東京の住人/船子/釜石鉱山の番人/遠野の馬商人/山賊/

           柏崎の乞食

   立石凉子 = 魚婆/江戸と東京の住人/品川小菱屋上座敷の女郎/釜石の芸者/子ども/

           柏崎の乞食

   六平直政 = 片目侍/江戸と東京の住人/目明かし喜平/雷の大五郎/新潟の目明かし文吉/

           柏崎の乞食

   瑳川哲朗  = 船頭栄蔵/江戸と東京の住人/遠野の亀屋/新潟の鱗屋

【STAFF】

   井上ひさし = 作

   蜷川幸雄 = 演出

   伊藤ヨタロウ = 音楽

 

6月も井上芝居を見に行きますが、これも古い作品なので、

また“明るいエロス”なのかしら~(^^;

 

人気ブログランキングへ blogram投票ボタン

 

文字ばかりになってしまったので、お正月に買ったサボテンのその後でも……。

一度ダンナがひっくり返したにもかかわらず、すくすく成長しています。上に。

IMG_4183.JPG  買ったとき→IMG_3855.JPG

  

育ってくれるのは嬉しいけれど、丸いほうがかわいかった……orz

お花咲かないかな~。


nice!(63)  コメント(22)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

『日本人のへそ』3月17日 [観劇・Stage・Live]

また地震が起こるのかも、原発がどうなるのかまったくわからないので

出かけるか止めるか迷ったのですが、

私の場合、観劇を断念するとそれがストレスになるので

出かけるストレスと出かけないストレスを秤にかけて

井上ひさし追悼ファイナル『日本人のへそ』を観にBunkamuraシアターコクーンに行ってきました。

念のためにカバンにはのど飴の他にパンとジュース、ストール、

手動の充電器と、大荷物です。

DCF00050.JPG

劇場に入ると、井上さんがお出迎え。

映り込みは見なかったことにしてください。

ホワイエにはドラえもん募金が設置されていました。

 

 

席について開演時間を待ち……なかなか幕が上がらない。

こんな時だから、「何かあったの?」と不安になってしまいます。

5分? 10分くらい経ったのでしょうか。ようやく客席の電気も消え

幕が開いたのはいいけれど、真っ暗な中で声だけ聞こえてきます。

こえ~よ~~~っ。

 

ダンナと大げんかした次の日の観劇などは

どうにも集中できず、勝手に涙がポロポロこぼれたりもしたので

今回も集中できないんじゃないかと思っていましたが

予想外に笑って、しっかり楽しんでいました。

いま起きている事態があまりに大きすぎて、

すべてが夢で、現実ではないような気すらするときもあるので

気持ちがあっさり切り替わったんでしょうね。

 

DCF00051.JPGアメリカ帰りの教授が新しい吃音症治療法として、

患者たちに劇を演じさせせる。

物語は、浅草のストリッパー・ヘレン天津の半生。

主人公、後のヘレン天津は、

岩手から集団就職で東京へ出てきた女の子。

夢や希望を抱いての上京であったが、

彼女に欲望を抱く男たちから逃れるように、

次々と職を変えていく。

 

この作品は、1969年に井上ひさしがテアトル・エコーに書き下ろした

実質的なデビュー作。

笑いのテイストがコントっぽくて、今までに見た井上作品、

とくに考えさせられることの多い最近の作品とは違い、娯楽性が強いけれど、

それでもやはり、どこかに通じるものを感じます。

ヘレン天津に露骨に迫る男たちや、セックスを連想させる歌なども

これまでに見たことのないパターンでしたが……。

パンフには「卑猥なことを比喩でうまく表現」「エロ……いえ、色気満点」などとありましたが、

いやらしさはまったく感じません。

私の中で、卑猥や猥褻には、どこか下品なところが、

エロにはどこか倒錯的な匂いを感じるのですが、

この作品は、キレイに浄化されていて、それがない。

まあ、バカバカしくも69という数字だけでもだえてしまう姿などは、

中学生か!と突っ込みたくなりますが(笑) 

きっと、井上ひさしが文芸部員として出入りしていたフランス座が

じめじめしていない、さっぱりと明るいところだったんじゃないかな~という気がします。

 

それにしても、腹巻き姿の石丸幹二が拝めるなんて。

四季じゃあり得ないお姿の連続(^^;

明日、東京に行く娘に、らくだのシャツとすててこ姿で、

「手塩にかけて育てた娘を東京の男にたぶらかされるくらいなら……」

とばかりに、腰をカクカクさせながら襲う様(^^;

いまだから「すごい!ここまでやるんだ」と思えますが、

もっと若い頃に見たら、衝撃だったろうなぁ。。。

『アスペクツ・オブ・ラブ』や『壁抜け男』を思い出す場面や

ヤクザ姿などもありましたが……冒頭のとっちゃ(お父さん)役のインパクトが強かった……(^^;

 

腹巻き姿の石丸幹二(何度も言うな(^^;)もそうですが

コミカルで、楽しそうにイキイキと演じてらして、とにかく皆さんはじけてらっしゃる!

私など、連日の余震で熟睡できずにぼ~っとした日が続いていたのに、

キャストの皆さんはこれだけのパワーを出しているとは!!!

お疲れ様でした。

3時間、楽しませてもらい、ありがとうございます。

 

 【CAST】

   教授 = 辻 萬長

   会社員 = 石丸幹二

   右翼 = たかお鷹

   審判員 = 久保酎吉

   鉄道員 = 山崎 一

   アナウンサー = 明星真由美

   沖縄娘 = 町田マリー 

   学生 = 植本 潤 

   ストリッパー = 笹本玲奈

   ピアノ伴奏者 = 小曽根真

   合唱隊 男① = 吉村 直

   合唱隊 男② = 古川龍太

   合唱隊 女① = 今泉由香

   合唱隊 女② = 高畑こと美

 【STAFF】

   作 = 井上ひさし

   演出 = 栗山民也

   音楽 = 小曽根真

   美術 = 妹尾河童

 

 

人気ブログランキングへblogram投票ボタン

劇場に行った私がナベツネを批判できないのかもしれませんが

東京ドームでのナイター開催はどうにも納得できません。

楽しみにしている人や

“娯楽”によって、新たな気分でがんばれる人もいるかと思いますが

東京で、ナイターというのは。。。

23区は計画停電の対象エリア外が多いので

停電で不便な思いをしている方がたくさんいらっしゃることに気づいていないのでしょうか。

西日本での開催や、屋外でのデイゲームだったらわかるのですが……。


nice!(38)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

『ヨセフ・アンド・ジ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』東京国際フォーラム [観劇・Stage・Live]

『CATS』や『オペラ座の怪人』『ジーザス・クライスト=スーパースター』などなど

数々のミュージカル音楽を生み出したイギリスの作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー。

彼のデビュー作『ヨセフ・アンド・ジ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』の

来日公演を観に東京国際フォーラムへ行ってきました。

   それにしてもタイトルが長い……(^^;

 

口さのない人は「古くさい」の「感傷的すぎる」のいいますが、

アンドリュー・ロイド=ウェバーの曲、好きなんです♪

 

ところでチケットをとった後、グルーポンで半額で売り出され……

なんだかなぁ……売れ行きがよくないんでしょうか?

 

そんなことを思いつつ会場に入ると、

ここまで客席の年齢層が高いのは、いままで見たことがないほど。

家族連れもいることはいるのですが、私の母くらい、

もしかしたらもっと年配の人ばかり目につきます。

ロイド=ウェバーが古くさいからか?(;^_^A アセアセ

平日の公演とはいえ、後方は空席も目立ち、

これじゃ半額クーポンを売り出すよなぁ。。.

 

シアターキャンプの卒業生が、こどもたちに「ヨセフ」の物語を聞かせます。

主人公ヨセフは12人兄弟の11番目。

父ヤコブに偏愛され、また、自分が将来兄弟の誰よりも出世する夢を見たと語ったので、

兄たちのねたみを買い、奴隷として売られてしまう。

エジプトの大富豪ポティファルの奴隷となったヨセフは、彼に気に入られ、偉くなっていく。

しかし、彼の妻に誘惑され、ぬれぎぬを着せられて投獄される。

牢の中でヨセフが他の囚人の夢解きをしたことがきっかけで

エジプト王ファラオの夢解きをしてみせ、重用されるようになる。

そして、困窮したヨセフの兄弟たちがエジプトに物乞いに行ったとき、

兄弟たちとヨセフは劇的な再会を果たす。

 

この物語は、旧約聖書を元にしているそうで、

聖書相手に不満をこぼすのもどうかと思いますが、

「おれ、カッコいい」「おれひとり、他の兄弟と違って出世する」 

なんて言っていれば、嫌われるのも仕方ないでしょうが。

ヨセフがいなくなった後、兄弟たちは変化しますが

ヨセフも自分の言動を顧みることはあったんでしょうか……。

(自分の運命を受け入れることはしていましたが)

 

そんなわけで、ヨセフには感情移入できないことに加え、

さらに、私の観劇欲を削いでくれたのはこども合唱隊の姿。

1991年のロンドン公演以来、こどもの合唱はなくてはならないものになったそうですが……。

シアターキャンプに参加しているこどもたちは、思い思いの普段着のまま。

これは当然だと思います。

こどもたちが、ただ単に物語の“観客”として登場しているのなら

これでかまわないんです。

でも、 「ヨセフ」の物語の中にもこどもたちは現れるんです。

“こどもたちが物語に夢中になって入り込んでいる”様を描いているのかもしれませんが

映像とアニメーション、実物と映像といった

ひと目で世界が違うとわかる組み合わせならともかく、

同じ舞台の上に立っている人を、話の登場人物と話を聞いている人とに

無意識に分けて見るのは、ちょっと難しいですね。

しかも、こどもたちは、ただ物語を近くで見ているだけではなく、

登場人物と接点を持っているのですから、なおさら。

こういうの、苦手なんです。

時代も国も違う世界の物語なのに、

今の普段着を見せられると、現実に引き戻されちゃうんですよね。

劇場に入った瞬間に、非日常の空間になるのが好きなのに、

ましてやミュージカルなんて、ストレイトプレイよりさらに非日常であってほしいのに

日常生活がそこにあるよ……orz

「ヨセフ」の物語に入り込むときは、他の出演者たちに合わせた衣装に着替えてほしいなぁ。

 

字幕での公演でしたが、歌詞は繰り返しが多いので

ステージを見る余裕は充分ありました。 が、ライトが目に入ってまぶしいことが多々多々。

音楽は、私の好きなロイド=ウェバーの曲とは違って、ポップスの色が濃い。

カントリー調、プレスリー風(プレスリー風ファラオが登場すると盛り上がったように思いましたが、

そういえば『CATS』のラム・タム・タガーもプレスリー風でしたね)だったり、

シャンソン調、カリブ風だったり、それはそれで楽しいけれど、

今まで親しんできたロイド=ウェバーの繊細な音の重なりが感じられない。

う~ん。

もともとは学芸会用の15分の作品だったものを膨らましてミュージカルにしたそうで、

アメリカでは学芸会の定番だとか。

きっと楽しみながら演じる作品なんでしょう。

「大人からこどもまで楽しめ」るということでしたが、重厚さはないし、

日本語を交えたサービス(来日公演ではありがちですが、今回、物語の内容のせいなのか

日本語を使う回数が多かったからか、ちょっと違和感を覚えた)や

コミカルな演技などを含め、私にはこども向けの作品に思えました。

ナレーター役のジェニファー・パズの声はよかったと思いますけどね。 

 

そういえば、この作品、DVDを持っていることに今ごろ気づきました。

アンドリュー・ロイド=ウェバー作品のDVD BOXの中の1本だったのですが

興味がなかったので見ていなかったんですよね(^^;

これは、見てみないといけないですね。

DVDでも果たして同じ印象を受けるのかどうか……。

 

人気ブログランキングへ blogram投票ボタン

 

演目とは関係ないんですけどね。

売店でパンフを買っても袋がもらえなかったり、

在庫の準備が不十分だったようで、見本で表に出していた商品を売ったり、

(私が見ていた商品を、購入者に渡すために取り上げられたんですよね(^◇^;))

なんだかなぁ。

以前から袋をくれなかったような気もしますし(ちょっと記憶曖昧です)

ゴミ削減の面からも、なんでもかんでも袋に入れるべきだとは思っていませんが、

雨が降っている日に、A4サイズのパンフを買っても袋をもらえないというのは、

お客さんのことを考えてくれてないようですね。


nice!(32)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇
前の10件 | 次の10件 観劇・Stage・Live ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。