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『七人ぐらいの兵士』 [観劇・Stage・Live]

七月某日、ダンナにチワの面倒を見てもらって、Bunkamuraシアターコクーンで『七人ぐらいの兵士』鑑賞。

2000年の東京、2001年の大阪公演の再演ですが、前回の公演は観ていないので初見です。

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【STORY】

戦時中の中国大陸。日本軍のある駐屯地で、ダメ兵士ばかり

且つ大阪出身者ばかりが集められた分隊があった。彼らは一旦戦地に派遣されたものの再訓練となっていた。

兵隊のリーダーである木下兵長(生瀬勝久)は、かつて漫才師であったが、

高座の出番直前に相方に失踪された過去がある。訓練中の怪我で野戦病院に運ばれた木下は、

“爆笑王”と入院患者達から呼ばれる男がいると、従軍看護婦・吉永花子(内田有紀)から紹介されるが、

それはかつての相方・水嶋(明石家さんま)だった。ウソと詭弁の天才・水嶋は

あらゆる手段を使って軍隊を逃げ出そうとするが、一方、木下は水嶋を殺そうと目論む。

そんなある日、駐屯地に慰問団がやってくるという情報が….。

水嶋は分隊の兵士達にある提案をするが、それが脱走を目論んでいた片岡(恵俊彰/中尾明慶)をはじめ、

兵士達の気持ちに火をつける。それぞれ交錯する思惑は一体どうなるのか?! (公式サイトより)

 

【CAST】

明石家さんま、生瀬勝久、内田有紀、中尾明慶(Wキャスト)

山西惇、温水洋一、八十田勇一、森田甘路、須賀健太、中村育二、恵俊彰(Wキャスト)

 

休憩無しの約3時間の好演(←変換ミスだけど、この字でいい気もする( ´艸`))

大満足だったけど、お尻が痛かった……orz 

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明石家さんま演じる水嶋に、「歌の慰問団が来たときに『兵隊さんの時間』という飛び入りコーナーで

歌を披露した人が見初められ、本土へ帰れることになった」と聞かされ、その気になって歌の練習を始める面々。

いや、ムリだから(^^;

パバロッティが兵士として駐屯地にいたら、「この才能を埋もれさせるのはもったいない」ってなるだろうけど

それは特殊な人だから。ちょっと歌が上手いくらいじゃムリだって。しかも、いまから練習したって絶対ム~リ~。

と、冷静に心の中でツッコミを入れるけれど……藁にもすがる思いなんだろうなぁ。。。

ところが、今回の慰問団は歌ではなく、お笑いだと知ると、漫才の練習を始めるダメ兵士たち(^^;

教えを請う兵士たちに水嶋が告げたのは、お笑いのポイントは「緊張の緩和や」。

その言い方を借りると、この物語は「緩和の緊張」。

さっきまでバカやってふざけていたのに、ラストで緊張が走るから、笑って笑って、だからこそ涙を誘う。

 

私は戦争をテーマにした演劇や映画(そもそも映画はあまり観ないけど)が好きじゃない。

それは、「戦争反対」「国が(軍が)悪い」と、登場人物があからさまに声を上げるからだ。

そういった伝えたいテーマは声に出さずに、観客が感じることが大事だと思っている。

プログラムの中で明石家さんまが

   たけしさんに「お前の笑いは戦争をひきずっていない笑いだ」と言われたことがあります。

        (中略)

   戦争をひきずっている人が戦争ものをやっちゃうと想いがズレたり違ったりすることがある。

   つまり、戦争を引きずっていない(なんでここだけ漢字になるんだ?)特権を

   生かしてやれるのが僕かなとは思っています。

とあったけれど、戦争を体験している世代の人は、自分が伝えたいことを間違って受け取られたくないから

ついつい言葉にしてしまうんじゃないかと思う。

この舞台の脚本は、「戦争をひきずってない」明石家さんまよりも5歳若い生瀬勝久。

私は観ていて、「ここでは食べ物に困らなかったのかな?」と不思議に思ったくらいだけれど

この物語はリアリティを追求したものではないから、それでいいのだろう。

戦争中だってみんな、わずかな楽しみを見つけていたと聞くし、極限状態だからこそ、

小さな楽しみも、私たちが思う以上に、大きなものだったのかもしれない。 

そして、そのわずかな楽しみの部分を膨らませることで、話にメリハリが出てくる。 

 

   『七人ぐらいの兵士』は.戦争反対と叫ぶ芝居ではありません。時代の流れに翻弄されて

   抗えない運命の中にある人たちが、その瞬間にどう生きたか?を描いているもの。 (プログラムより)

とあるけれど、登場人物たちは政府や軍の批判はしない。

「この時代に生まれたから」と、自分の運命を受け入れている。 

そして、哀しいことだけれど、その運命は“運”でしかない。

兵役満了目前だったのに、水嶋を見つけてしまったがために除隊延期した木下。

自己保身のために仲間を売り、そのことで後悔する片岡。

軍曹の近くにいたというだけの理由で前線へ送られる小沢。

その軍曹も、小沢を前線へ送ったことを悔やんでいる。

……運命って残酷だなぁ。。。

 

しかし、運命に抗えない男たちも、「死ぬまで笑ってたい」「笑いながら死にたい」と

生き残るためにはなりふり構わない水嶋と出会って、変化しているように感じる。

諦めて、ただ流されているのではなく、自分で選択した運命。究極の選択でしかないけれど、

それでも自分で選んだことだから、どこか前向きで、だからこそ胸を打つ。 

「お国のために」というセリフはなかった。「大切な人を守るため」というのが印象的だった。 

 

ラストの木下と水嶋の立ち姿がメチャクチャ絵になってる。

この日、明石家さんまの声が聞き取りにくいところもあったけれど

(この日の体調によるものなのか、それとも3年前にPRESSを観たときは1階席だったけれど

今回は2階席だったので、そのへんが関係しているのかもわからない--不思議に、上の方に

声が通る人もいれば、1階席に声が通る人もいるんです--)

この背中だけで、もうそんなことちっとも気になりません。 

今後、明石家さんまといったら、この背中を思い出すくらいのいい立ち姿でした。

なのに……プログラムにこの写真、入ってないのね。残念(´・ω・`) 

 

 

渋谷へ行ったら、ブックオフに寄るのがお決まり。

最上段のCDを見るために脚立に乗って……。

両手に荷物を持っている状態で脚立から下りるのは怖かったです。

買い物はひとりで行くのが好きだけど、脚立を使うときは一人じゃないほうがいいな~_(^^;)ツ アハハ


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コメント 7

アルマ

この舞台ですかね、27時間テレビで「舞台の千秋楽やねん」って言っていたのは・・・
最近舞台を見ていないので見たくなってきました。
by アルマ (2015-08-16 18:21) 

さとし

私も連休中、ずっとガクの面倒みてた気がします。
ブックオフへ、宝探しのようで好きです。
気に入ったCDが、安く売っていると感動です。
by さとし (2015-08-17 06:50) 

hatsune

★アルマさん
そう。それです。
夜2時くらいにダンナがテレビをつけたら、27時間テレビに出ていて
ビックリしました。
by hatsune (2015-08-17 15:30) 

hatsune

☆さとしさん
同じ人の本やCDも、金額によってコーナーが分かれちゃっているので
探すのが面倒な反面、お得なのを見つけたときは嬉しいですよね(*^_^*)
私の行動範囲にブックオフがないので、近くに出かけたときは必ず寄っちゃいます。
by hatsune (2015-08-17 15:33) 

ちょろっとぶぅ

見てみたいですぅ♪
by ちょろっとぶぅ (2015-08-17 22:20) 

hatsune

★ちょろっとぶぅさん
明日から大阪公演ですね。
東京公演とはきっと小ネタが違うんだろうな~。
by hatsune (2015-08-18 14:26) 

vivian

さんまちゃんと生瀬さんと言うキャストから
楽しいと思いますね♪
by vivian (2015-08-19 11:24) 

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